お知らせ
犬吠埼の植物観察会
2013.11.20 Wednesday 17:15
11月14日に銚子ジオパーク推進市民の会の主催による犬吠埼付近の海岸植物観察会に参加しました。当日は、晴れで風も弱く暖かい日で、快適な観察会となりました。参加者は全部で35名だったようです。
この観察会で、一番驚いたのは、11月中旬の時期に、こんなに多くの個体数、種類数の開花している植物が見られたことです。次に印象に残ったのは、ハマ、イソという名前がついている植物が大変多いなと感じられました。この日聞いたものだけでも、ハマエノコロ、ハマアキノキリンソウ、ハマコウゾリナ、ハマヒルガオ、ハマオモト、ハマニンニク、それにイソギクです。更に、花びらの色は、黄色が多かったです。
犬吠埼は、海に面しています。そのため、塩分にも耐えられるように適応した植物が見られるのが特徴です。犬吠埼は海岸に近いジオサイトとして、特徴的な植物が見られる地域として重要な場所です。
集合場所では、ハチジョウススキが見られました。銚子が北限のようです。特徴的なのは、茎が普通のススキよりも太かったことです。
写真1.海岸沿いで、砂岩泥岩互層をみているところ
写真2.ハチジョウススキ
ハマエノコロは、エノコログサの海岸型のようですが、エノコログサと比較して、草丈が低かったです。
ハマアキノキリンソウは、千葉県重要保護生物(B)になっています。これもアキノキリンソウより、草丈が低かったです。
写真3 ハマエノコロ
写真4 ハマアキノキリンソウ
ツワブキは、福島以西に生育し、早春にはクキが食べられるそうです。
オニヤブソテツは、シダ植物です。葉の裏には、胞子のうがあって、小さな円型の粒状がたくさんついていました。シダ植物なので、花は咲きません。
写真5 ツワブキ
写真6 オニヤブソテツ
?
ハナイソギクは、木と草の両方の性質を持っており、雑種だそうです。
イソギクは、この日最も多く見られました。海に面している場所だけでなく、海から少し離れた石垣でも見られました。
写真7 ハナイソギク
写真8 イソギク
最後になりますが、歩いている途中で、海岸沿いでよく見られるイソヒヨドリ(鳥類)も見られたので、紹介します。
写真9 イソヒヨドリ(メス)
主催となって運営していただきました銚子ジオパーク推進市民の会の皆様ありがとうございました。
この観察会で、一番驚いたのは、11月中旬の時期に、こんなに多くの個体数、種類数の開花している植物が見られたことです。次に印象に残ったのは、ハマ、イソという名前がついている植物が大変多いなと感じられました。この日聞いたものだけでも、ハマエノコロ、ハマアキノキリンソウ、ハマコウゾリナ、ハマヒルガオ、ハマオモト、ハマニンニク、それにイソギクです。更に、花びらの色は、黄色が多かったです。
犬吠埼は、海に面しています。そのため、塩分にも耐えられるように適応した植物が見られるのが特徴です。犬吠埼は海岸に近いジオサイトとして、特徴的な植物が見られる地域として重要な場所です。
集合場所では、ハチジョウススキが見られました。銚子が北限のようです。特徴的なのは、茎が普通のススキよりも太かったことです。
写真1.海岸沿いで、砂岩泥岩互層をみているところ
写真2.ハチジョウススキ
ハマエノコロは、エノコログサの海岸型のようですが、エノコログサと比較して、草丈が低かったです。
ハマアキノキリンソウは、千葉県重要保護生物(B)になっています。これもアキノキリンソウより、草丈が低かったです。
写真3 ハマエノコロ
写真4 ハマアキノキリンソウ
ツワブキは、福島以西に生育し、早春にはクキが食べられるそうです。
オニヤブソテツは、シダ植物です。葉の裏には、胞子のうがあって、小さな円型の粒状がたくさんついていました。シダ植物なので、花は咲きません。
写真5 ツワブキ
写真6 オニヤブソテツ
?
ハナイソギクは、木と草の両方の性質を持っており、雑種だそうです。
イソギクは、この日最も多く見られました。海に面している場所だけでなく、海から少し離れた石垣でも見られました。
写真7 ハナイソギク
写真8 イソギク
最後になりますが、歩いている途中で、海岸沿いでよく見られるイソヒヨドリ(鳥類)も見られたので、紹介します。
写真9 イソヒヨドリ(メス)
主催となって運営していただきました銚子ジオパーク推進市民の会の皆様ありがとうございました。
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隠岐ジオパーク第二弾
2013.11.19 Tuesday 17:15
隠岐ジオパークのジオツアー地質・地形編です。
(10月に隠岐ジオパークへ行ったときの話の続きです)
隠岐の島は、火山活動が主体となって形成された島なので、堆積が主体となって形成された銚子とは、また違う特徴が見られました。
上方に高く突き出ているように見える島は、ローソク島です(写真1)。夕方に太陽がちょうどこの島の上に来たとき、ローソクが燃えているように見えます。今回ローソク島をみたときは、昼間でしたが、ローソクの形をしていました。
隠岐の島の北西部に位置する福浦トンネル付近の約600万年前の火砕流跡地に行きました(写真2)。この火砕流は柔らかいため、昔は人力でもトンネルを掘ることができたそうです。
写真1 ローソク島
写真2 火砕流跡の海沿いを歩く
油井の池は、約300万年前の地すべりのあと、そのくぼみに池ができた場所です(写真3)。地すべりを起こしたあとに、池ができるのは不思議だと思いました。
また、現在進行形で地すべりが発生しているところも見ることができました。(写真4)この場所は1年当たり2cm動いているということでした。
写真3 油井の池
写真4現在地すべりしている場所
銚子ダム近くでは、隠岐片麻岩が見られました(写真5)。これは、約2億5千万年前の岩石で、高い熱と圧力(変成作用)を受けたものです。この岩石には、約30億年前にできた鉱物も含まれているようです。
その後、玄武岩でできた風穴を見ました(写真6)。時間の関係で、少し離れたところから見ただけでしたが、このブログの著者は、安山岩の風穴で調査を行ったことがあるので、興味を持ちました。
写真5 隠岐片麻岩
写真6 玄武岩の風穴
マントルゼノリスとは、上部マントルから、早い速度で上昇し、マントル物質のカンラン岩をし、捕獲したものです。このマントルゼノリスを含んだ岩を使った石垣のある場所を見ることができました(写真7)。
写真7 マントルゼノリス(カメラキャップの左側の直径約5?の円の中)
また隠岐の島では、黒曜石の産地として有名で、中国、四国地方などの遠方にまで運ばれて利用されていたようです。遠方に運ばれた黒曜石を調べて、その産地までわかってしまうのはすごいと思いました。
このように隠岐ジオパークでは、主として火成岩や火山性堆積物をたくさん見ることができました。
(10月に隠岐ジオパークへ行ったときの話の続きです)
隠岐の島は、火山活動が主体となって形成された島なので、堆積が主体となって形成された銚子とは、また違う特徴が見られました。
上方に高く突き出ているように見える島は、ローソク島です(写真1)。夕方に太陽がちょうどこの島の上に来たとき、ローソクが燃えているように見えます。今回ローソク島をみたときは、昼間でしたが、ローソクの形をしていました。
隠岐の島の北西部に位置する福浦トンネル付近の約600万年前の火砕流跡地に行きました(写真2)。この火砕流は柔らかいため、昔は人力でもトンネルを掘ることができたそうです。
写真1 ローソク島
写真2 火砕流跡の海沿いを歩く
油井の池は、約300万年前の地すべりのあと、そのくぼみに池ができた場所です(写真3)。地すべりを起こしたあとに、池ができるのは不思議だと思いました。
また、現在進行形で地すべりが発生しているところも見ることができました。(写真4)この場所は1年当たり2cm動いているということでした。
写真3 油井の池
写真4現在地すべりしている場所
銚子ダム近くでは、隠岐片麻岩が見られました(写真5)。これは、約2億5千万年前の岩石で、高い熱と圧力(変成作用)を受けたものです。この岩石には、約30億年前にできた鉱物も含まれているようです。
その後、玄武岩でできた風穴を見ました(写真6)。時間の関係で、少し離れたところから見ただけでしたが、このブログの著者は、安山岩の風穴で調査を行ったことがあるので、興味を持ちました。
写真5 隠岐片麻岩
写真6 玄武岩の風穴
マントルゼノリスとは、上部マントルから、早い速度で上昇し、マントル物質のカンラン岩をし、捕獲したものです。このマントルゼノリスを含んだ岩を使った石垣のある場所を見ることができました(写真7)。
写真7 マントルゼノリス(カメラキャップの左側の直径約5?の円の中)
また隠岐の島では、黒曜石の産地として有名で、中国、四国地方などの遠方にまで運ばれて利用されていたようです。遠方に運ばれた黒曜石を調べて、その産地までわかってしまうのはすごいと思いました。
このように隠岐ジオパークでは、主として火成岩や火山性堆積物をたくさん見ることができました。
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茨城県北ジオパークのジオツアー
2013.11.08 Friday 17:00
11月3〜4日に、ジオパーク関東大会in茨城に参加しました。そのうち、4日はジオツアー(「文化とジオの交差点の旅」)に参加しました。
最初の目的地は日立市です。日立市といえばまず日立製作所が思い浮かびました。でも、その原点は日立鉱山(銅山)にあるそうです。それは、鉱山に関連する機械の製作から日立製作所が生まれたようです。かつて、日立鉱山の煙害対策のために、高さ155mの煙突を作ったそうです。しかし1993年に突然倒れてしまい、現在見られる煙突の高さは、そのときの1/3だそうです(写真1)。
少し移動して、かみね公園ジオサイトに行きました。そこでは、カンブリア紀の岩体が見られました(写真2)。カンブリア紀の説明を聞いていると、時間スケールだけでなく、空間スケールも壮大になっているのがわかりました。それだけでなく、地球の歴史が以前よりも、身近になったような気がします。でも、それがカンブリア紀の岩体であることは、専門家でなければ判別ができないようなことが、課題のようでした。
写真1 日立鉱山の煙突。
写真2 日立市のかみね公園にて。カンブリア紀の岩体の説明を聞いている。
次は、高萩市にある高萩炭鉱石炭資料館に行きました(写真3)。石炭は、石炭紀ではなく、古第三紀の地質にあるようです。また、石炭の取れる場所は、阿武隈山地の東側だそうです。日本で石炭が利用されるようになったのは、江戸時代からのようで、ヨーロッパでは、紀元前から利用されていたのとは、だいぶ時代の差があるというのも興味深かったです。
写真3 高萩市の高萩炭鉱石炭資料館にて。石炭を採掘していた時代のジオラマを見ている。
昼食は、北茨城市の大津漁港へ行きました(写真4)。大津漁港は、2011年の東北地方太平洋沖地震で7m程の津波が来襲したようです。海岸の近くの食堂は、新しく建てられたように見えました。周りを見渡すと、まだ復旧工事をしているようでした。魚の方も、まだ、震災の影響を引きずっていると言っておりました。
写真4 北茨城市の大津漁港。まだ工事が続いている。
午後からは、五浦海岸にある岡倉天心が居住していたところに行きました。陸側が海食崖に囲まれており、前方が太平洋を臨んだ景色のいい場所でした。それはまるで目の前の太平洋が自分の庭のように見えたのではないかと思われました。敷地内の六角堂は、国の登録有形文化財に指定されておりました。しかし、2011年の東北地方太平洋沖地震の津波の被害で、現在は、再建されたものであります(写真5)。
写真5 北茨城市の五浦海岸(六角堂)にて
写真6 風船爆弾放球地跡
最後に、風船爆弾の放球地を見学しました(写真6)。第二次世界大戦中に、偏西風を利用した風船爆弾が考案されました。風船の材料は、和紙とコンニャク糊だそうです。錘には砂が使用されたようです。しかし、アメリカでは既に日本の砂のサンプルを持っていたそうで、3つの放球地(大津、勿来、一宮)のうち、一つは当たっていたそうです。それもすごい話だと思いました。
過去事実は、変えることができませんが、今後ジオパーク活動が平和とは離れた分野に利用されたくないと思いました。
近隣のジオパークでジオツアーに参加したのは、とても有意義でした。茨城県北ジオパークの関係者のみなさま、どうもありがとうございました。
最初の目的地は日立市です。日立市といえばまず日立製作所が思い浮かびました。でも、その原点は日立鉱山(銅山)にあるそうです。それは、鉱山に関連する機械の製作から日立製作所が生まれたようです。かつて、日立鉱山の煙害対策のために、高さ155mの煙突を作ったそうです。しかし1993年に突然倒れてしまい、現在見られる煙突の高さは、そのときの1/3だそうです(写真1)。
少し移動して、かみね公園ジオサイトに行きました。そこでは、カンブリア紀の岩体が見られました(写真2)。カンブリア紀の説明を聞いていると、時間スケールだけでなく、空間スケールも壮大になっているのがわかりました。それだけでなく、地球の歴史が以前よりも、身近になったような気がします。でも、それがカンブリア紀の岩体であることは、専門家でなければ判別ができないようなことが、課題のようでした。
写真1 日立鉱山の煙突。
写真2 日立市のかみね公園にて。カンブリア紀の岩体の説明を聞いている。
次は、高萩市にある高萩炭鉱石炭資料館に行きました(写真3)。石炭は、石炭紀ではなく、古第三紀の地質にあるようです。また、石炭の取れる場所は、阿武隈山地の東側だそうです。日本で石炭が利用されるようになったのは、江戸時代からのようで、ヨーロッパでは、紀元前から利用されていたのとは、だいぶ時代の差があるというのも興味深かったです。
写真3 高萩市の高萩炭鉱石炭資料館にて。石炭を採掘していた時代のジオラマを見ている。
昼食は、北茨城市の大津漁港へ行きました(写真4)。大津漁港は、2011年の東北地方太平洋沖地震で7m程の津波が来襲したようです。海岸の近くの食堂は、新しく建てられたように見えました。周りを見渡すと、まだ復旧工事をしているようでした。魚の方も、まだ、震災の影響を引きずっていると言っておりました。
写真4 北茨城市の大津漁港。まだ工事が続いている。
午後からは、五浦海岸にある岡倉天心が居住していたところに行きました。陸側が海食崖に囲まれており、前方が太平洋を臨んだ景色のいい場所でした。それはまるで目の前の太平洋が自分の庭のように見えたのではないかと思われました。敷地内の六角堂は、国の登録有形文化財に指定されておりました。しかし、2011年の東北地方太平洋沖地震の津波の被害で、現在は、再建されたものであります(写真5)。
写真5 北茨城市の五浦海岸(六角堂)にて
写真6 風船爆弾放球地跡
最後に、風船爆弾の放球地を見学しました(写真6)。第二次世界大戦中に、偏西風を利用した風船爆弾が考案されました。風船の材料は、和紙とコンニャク糊だそうです。錘には砂が使用されたようです。しかし、アメリカでは既に日本の砂のサンプルを持っていたそうで、3つの放球地(大津、勿来、一宮)のうち、一つは当たっていたそうです。それもすごい話だと思いました。
過去事実は、変えることができませんが、今後ジオパーク活動が平和とは離れた分野に利用されたくないと思いました。
近隣のジオパークでジオツアーに参加したのは、とても有意義でした。茨城県北ジオパークの関係者のみなさま、どうもありがとうございました。
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隠岐ジオパークのジオツアー
2013.11.07 Thursday 18:00
第4回日本ジオパーク全国大会(隠岐大会)に参加しました。そのうち、10月17日と18日は、島後(隠岐の島町)のジオツアーに参加しました。
このジオツアーで印象に残ったのは、隠岐の島では、植物の多様性が高いということでした。具体的には、北方系、南方系の植物が混在しているということです。その理由を聞いてみると、最終氷期に隠岐の島は、本土と陸続きであったそうです。この陸続きになったときに、さまざまな地域の植物が避難してきたそうです。氷期で気温が低下している時期に、本土から北方に位置する隠岐の島方向に避難したそうです。なぜ、氷期に北へ避難することができたのか、不思議に思いましたが、隠岐の島は、対馬暖流が流れているので、本土(島根県)に比べて温暖だと言っておりました。そこで、現在の気象について、西郷と松江を例として気象庁データで見たところ、植物にとって西郷が松江よりも有利だと思われたのは、冬季の降雪量が多いことでしたが、本当に有利なのか詳細なところはよくわかりませんでした。でも、最終氷期の植物の花粉分析などの成果があると面白そうですね。なお、今回見ることができた特徴的な植物は、ミズナラ(写真1)、イタヤカエデ(写真2)、シロウマアサツキ(写真3)など北方あるいは高山のもの、ヤブツバキ(写真4)、トベラ(写真5)など南方の照葉樹でした。
写真1 ミズナラ
写真2 イタヤカエデ
写真3 シロウマアサツキ
写真4 ヤブツバキ
写真5 トベラ
スギは、最終氷期に日本で3か所逃避地があったそうです。太平洋側は伊豆半島、日本海側は隠岐の島、九州以南は屋久島だそうです。日本海側のスギは、葉の表面に雪が積もっても、すぐ落ちるように太平洋側のスギに比べて葉が短いのが特徴だそうです(写真6)。
写真6 隠岐の島のスギ(かぶら杉)
次に動物ですが、オキサンショウウオを教えてくれました。オキサンショウウオ(写真7)は、隠岐の島の島後だけに生息する両生類で、希少な種だそうです。環境省のレッドデータブックによれば、絶滅危惧II類(VU) で、絶滅の危険が増大している種となっておりました。見つけるのが難しくて、教えてもらわなければわからないほどでした。
写真7 オキサンショウウオ(どこにいるかわかりますか?)
また、アサギマダラ(写真8)を1羽だけ見かけました。南方への渡りの途中なのでしょうか?
写真8 アサギマダラ(渡りの途中?)
このように、隠岐の島では、大地と気候と生態系とそれらの歴史が絶妙なバランスで、このような景観を作り上げていることを興味深く観察することができました。
滞在時は、隠岐ジオパークの関係者の皆様にお世話になりました。どうもありがとうございました。
このジオツアーで印象に残ったのは、隠岐の島では、植物の多様性が高いということでした。具体的には、北方系、南方系の植物が混在しているということです。その理由を聞いてみると、最終氷期に隠岐の島は、本土と陸続きであったそうです。この陸続きになったときに、さまざまな地域の植物が避難してきたそうです。氷期で気温が低下している時期に、本土から北方に位置する隠岐の島方向に避難したそうです。なぜ、氷期に北へ避難することができたのか、不思議に思いましたが、隠岐の島は、対馬暖流が流れているので、本土(島根県)に比べて温暖だと言っておりました。そこで、現在の気象について、西郷と松江を例として気象庁データで見たところ、植物にとって西郷が松江よりも有利だと思われたのは、冬季の降雪量が多いことでしたが、本当に有利なのか詳細なところはよくわかりませんでした。でも、最終氷期の植物の花粉分析などの成果があると面白そうですね。なお、今回見ることができた特徴的な植物は、ミズナラ(写真1)、イタヤカエデ(写真2)、シロウマアサツキ(写真3)など北方あるいは高山のもの、ヤブツバキ(写真4)、トベラ(写真5)など南方の照葉樹でした。
写真1 ミズナラ
写真2 イタヤカエデ
写真3 シロウマアサツキ
写真4 ヤブツバキ
写真5 トベラ
スギは、最終氷期に日本で3か所逃避地があったそうです。太平洋側は伊豆半島、日本海側は隠岐の島、九州以南は屋久島だそうです。日本海側のスギは、葉の表面に雪が積もっても、すぐ落ちるように太平洋側のスギに比べて葉が短いのが特徴だそうです(写真6)。
写真6 隠岐の島のスギ(かぶら杉)
次に動物ですが、オキサンショウウオを教えてくれました。オキサンショウウオ(写真7)は、隠岐の島の島後だけに生息する両生類で、希少な種だそうです。環境省のレッドデータブックによれば、絶滅危惧II類(VU) で、絶滅の危険が増大している種となっておりました。見つけるのが難しくて、教えてもらわなければわからないほどでした。
写真7 オキサンショウウオ(どこにいるかわかりますか?)
また、アサギマダラ(写真8)を1羽だけ見かけました。南方への渡りの途中なのでしょうか?
写真8 アサギマダラ(渡りの途中?)
このように、隠岐の島では、大地と気候と生態系とそれらの歴史が絶妙なバランスで、このような景観を作り上げていることを興味深く観察することができました。
滞在時は、隠岐ジオパークの関係者の皆様にお世話になりました。どうもありがとうございました。
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銚子ジオパーク1周年記念イベント(「実験で台風を知ろう」)
2013.10.31 Thursday 15:30
10月26日(土)に開催予定の「実験で台風を知ろう」は、数日前から台風27号の進路が懸念されており、開催できるかどうか議論されました。そこで、当日午前10時現在に、気象警報が発令されていなかったら、開催することに決めました。当日になり、気象警報が発令されていなかったので予定どおり開催されることとなりました。
こんな天気にもかかわらず、合計5名の家族と、4名の大人がいっしょになって実験に参加してくださいました。さらに日本気象予報士会千葉支部の方3名が実験のお手伝いをしてくださいました。
まず、銚子ジオパークを簡単に説明したあと講師のみなさんの自己紹介が行われました。そのあと、台風の発生する様子を動画でみたあと、気圧の意味が説明されました。そのあとが、いよいよ実験です。
写真1 スライドを説明中
実験のひとつめは、気圧を低下させて、高潮の状況を再現する実験でした。トレーに水を注入して、円柱形の容器をかぶせます。円柱形の容器内の空気をストローで吸い出すと、気圧が低下すると同時に、水面が上昇します。気圧の変化量と水位変化量を記録すると、気圧1hPaの低下に伴い、水面が1cm上昇することがわかりました。
写真2 気圧低下による高潮の実験
次の実験は、雲の発生を確かめる実験です。500mlのペットボトルに、少し水滴を入れて、ふたを閉めて、少しつぶします。その後、瞬間的に力を抜くと、ペットボトルの中で、断熱膨張による温度低下で、水蒸気が見えるようになるという仕組みです。みなさん、うまくペットボトルの中で雲が発生できたようです。
写真3 雲の発生の実験
その後、気象衛星の雲画像の動画を見て、台風の進路を予想するというものです。条件によって、台風の進行方向が変化するというのが確認できたようです。
参加したみなさんは、実験を楽しんでくれたようです。
(この実験の内容と機材は、日本気象予報士会千葉支部のご協力を得ました。ありがとうございました。)
こんな天気にもかかわらず、合計5名の家族と、4名の大人がいっしょになって実験に参加してくださいました。さらに日本気象予報士会千葉支部の方3名が実験のお手伝いをしてくださいました。
まず、銚子ジオパークを簡単に説明したあと講師のみなさんの自己紹介が行われました。そのあと、台風の発生する様子を動画でみたあと、気圧の意味が説明されました。そのあとが、いよいよ実験です。
写真1 スライドを説明中
実験のひとつめは、気圧を低下させて、高潮の状況を再現する実験でした。トレーに水を注入して、円柱形の容器をかぶせます。円柱形の容器内の空気をストローで吸い出すと、気圧が低下すると同時に、水面が上昇します。気圧の変化量と水位変化量を記録すると、気圧1hPaの低下に伴い、水面が1cm上昇することがわかりました。
写真2 気圧低下による高潮の実験
次の実験は、雲の発生を確かめる実験です。500mlのペットボトルに、少し水滴を入れて、ふたを閉めて、少しつぶします。その後、瞬間的に力を抜くと、ペットボトルの中で、断熱膨張による温度低下で、水蒸気が見えるようになるという仕組みです。みなさん、うまくペットボトルの中で雲が発生できたようです。
写真3 雲の発生の実験
その後、気象衛星の雲画像の動画を見て、台風の進路を予想するというものです。条件によって、台風の進行方向が変化するというのが確認できたようです。
参加したみなさんは、実験を楽しんでくれたようです。
(この実験の内容と機材は、日本気象予報士会千葉支部のご協力を得ました。ありがとうございました。)
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