事務局ブログ

記念碑の正体(石材編)

2013.08.15 Thursday 17:07
地質だけでなく、文化も盛んな銚子。
ここ銚子には様々な記念碑があります。

記念碑をめぐってみると・・・黒い部分と白っぽい部分が縞模様になった石材を多く見かけます(写真1と2)。
名洗不動尊
写真1 名洗不動尊にある記念碑

不動尊2
写真2 近づいてみると・・・。黒と白の縞模様が。


しましまの岩石と言えば、結晶片岩(写真3)を思い浮かべます。
結晶片岩
写真3 結晶片岩 しま模様が特徴です。


銚子では見ることのできない岩石なので、気になって顔を近づけてみると・・片岩ではないような?

黒い部分は頁岩(うすくはがれる泥岩)のようにみえます。
西日本出身の私は、こんな石材記憶にはありません(言い訳てへっ)。

気になってこの石材について調べてみました。

この石材は「稲井石」という名前で、宮城県石巻市稲井町で取れます(地層の名前は稲井層群伊里前層。三畳紀の地層です)
岩石の種類でいうと砂質粘板岩。粘板岩は頁岩が軽い変成をうけた岩石です。
「稲井石」のしま模様は堆積した時の葉理で、砂が堆積した部分が白っぽくなっています。

石材としての「稲井石」の歴史は古く、石巻付近では、文永五年(西暦1268年)の板碑から使われているそうですぎょ
また、大きな石材が取れるので、東日本では様々な場所の記念碑がこの「稲井石」だそうです。


人工の建造物には、様々な種類の岩石が使われていることがあります。
(銚子で有名なのは「銚子石」ですねオッケー

みなさんも、自然の岩石だけでなく、身近な「石材」に注目してみると面白いことがわかるかもしれませんよ。


カテゴリー: 事務局ブログ |




第3回目の夏休みこどもジオツアーを開催しました!

2013.08.15 Thursday 13:14
8月9日に第3回目の夏休みこどもジオツアーを開催しました!

今回は、千葉科学大学の安藤准教授による、地質の観察、研究をするツアーです。
参加者のみなさんは、今回のツアーで学んだことを夏休みの研究テーマにするそうです。

地質はもちろんのこと、銚子のジオ(大地)に関して大変詳しい安藤先生。
どんな質問でも答えてくれる姿が頼もしい!

まずは、屏風ケ浦の地層の観察です。
屏風1
屏風ケ浦は地層がむき出しの崖。地層の観察にはもってこいです。


屏風2
昔の断層が観察できます。どこにあるかわかるかな?


断層模型
安藤先生が、断層について模型を使ってわかりやすく解説してくれました。


屏風間近
間近で見る屏風ケ浦は大迫力!! 


次は青少年文化会館に移動して、ジオ展示の見学です。
ほたてさん
市民の会のガイドさんが詳しく案内してくれました


お昼はおなじみのジオ弁当
ジオ弁当
屏風ケ浦のような縞模様がいい感じオッケー


午後は千葉科学大学で地質に関する講義です。
化石・岩石
本物の岩石や化石をみながらお勉強


火山灰の顕微鏡観察もしました。
火山灰観察
実体顕微鏡で見る火山灰の意外な美しさに感嘆の声が上がっていました。
大人も子どもも夢中です。



最後に千葉科学大学赤木学長より修了証書授与がありました。
修了1
修了2
参加者のみなさん本当にお疲れまでした。

研究がんばってね!!


いよいよ8月27日・28日は最後のジオツアーです。ジオツアー1、2回目の糟谷先生が銚子に生息する生き物の話などいろいろ紹介してくれます。
みなさん、この機会をお見逃しなく!!!

−お問合せ先−
銚子市役所 地域協働課 ジオパーク推進室
電話番号:0479-24-8794 / FAX:0479-25-0277
受付時間:午前8時30分から午後5時15分まで(土曜、日曜、祝日、年末年始を除く)





カテゴリー: 事務局ブログ |




夏休みこどもジオツアーを開催しました!

2013.08.09 Friday 17:57
7月24日から25日に第1回目、7月31日から8月1日に第2回目の「夏休みこどもジオツアー」を開催しました。

このツアーは、銚子の自然をめいっぱい楽しめて、さらにはお勉強にもなる(特に夏休みの自由研究にオススメ)内容となっていますオッケー

千葉科学大学本部キャンパスでオリエンテーションを行ったあと、いよいよツアーに出発です。

今回のお話をしてくれたのは、千葉科学大学の糟谷先生。
その圧倒的な生物に対する知識で分かりやすく銚子の生物を紹介してくれました(専門はキノコですよ)。


長崎鼻海岸での磯遊び
長崎鼻海岸での磯遊び

最初は磯遊び。
ヒトデやカニなどいろんな生き物に触れあえました。
初めてみる生き物たちにみんな興奮気味。
潮だまりにはイワシの稚魚魚もいました!


君ケ浜
君ケ浜での植物観察
見つけたキノコについて糟谷先生がいろいろ教えてくれました


次は君ケ浜へ。
海岸では砂浜での厳しい環境で生き抜く植物たちの、そして、砂丘の林では松とキノコの関係を先生が解説してくれました。
生物のたくましい生きるための戦略の話にこどもだけでなく大人の参加者も感心しきりでした。


午後は青少年文化会館に移動です。
ツアーの昼食はボリューム満点の「ジオ弁当」。ごはんが地層の縞模様のように飾られていました。食べるのがもったいない!?


星座早見盤
文化会館での星座早見盤づくり

昼食の後は、文化会館の加藤先生指導のもと星座早見盤を作りました。
この星座早見盤があれば、星の観察もばっちりのハズ。

星座早見盤は日本標準時(東経135度)にあわせて作られています。
関東の緯度はだいたい東経140度。5度ずれているので、同じ時間なら東経135度の地域より5日早い空をみていることになります。
今回作った早見盤では外側の目盛を5日すすめてみると、銚子の夜空を観察できます。

このあと、プラネタリウムで、今夜見える星たちを紹介してもらいました星
加藤先生の穏やかな声の解説にみんな夜空の世界に引き込まれていきます。


ジオウォーク
犬吠埼でのジオウォーク 
写真は不思議な岩石の穴「タフォニ」


1日目の最後はジオウォーク。
有名な「犬吠埼」で銚子の大地の成り立ちをゆっくり歩きながら観察していきます。


展望館
「地球の丸く見える丘展望館」での大パノラマ。
「何がみえるのかな?」(犬岩の耳の部分をさがしています)


2日目は、銚子で最も高い愛宕山からジオツアーをスタートです。
愛宕山にある「地球の丸く見える丘展望館」の屋上に登って、銚子半島ぐるっと360度の大パノラマを見学です。
この地球の丸さを実感できる絶景をガイドが詳しく説明してくれました。


渡海神社
渡海神社
キノコもいっぱい生えていました。今回は見ることができませんでしたが、カニもいるそうです。


最後は海渡神社(とかいじんじゃ)で生きもの観察。
渡海神社の森は自然の不思議がいっぱい詰まっています。

難しい話をすると、樹種の構成がさほど変化しない状態になった森「極相林(きょくそうりん)」で、学術的にも非常に重要な場所です。
ここを、糟谷先生に案内してもらいました。


まとめの後は、こどもたち全員に、修了証書が授与されました。


記念撮影
みんなで記念撮影
また、銚子ジオパークに来てくださいね☆



のこるツアーはあと1回。
皆様、ぜひ参加をお願い致します(当日天気が悪くても大丈夫雨。いろいろ別メニューを用意しています!!)
この夏、みなさんも銚子のジオを感じてみてはいかがでしょうか?

−お問合せ先−
銚子市役所 地域協働課 ジオパーク推進室
電話番号:0479-24-8794 / FAX:0479-25-0277
受付時間:午前8時30分から午後5時15分まで(土曜、日曜、祝日、年末年始を除く)




カテゴリー: 事務局ブログ |




千葉県立中央博物館の視察

2013.08.06 Tuesday 17:30
銚子ジオパーク推進市民の会の行事で、千葉県立中央博物館の銚子ジオパーク関係の展示を視察してきました。にこっ
千葉県立中央博物館には、「房総の自然誌」、「房総の歴史」、「自然と人間のかかわり」の3つの主要な展示室があります。今回視察したところは、「房総の自然誌」の中の房総の地学展示室と生物の分類展示室でした。
房総の地学展示室は、時代の古い順に展示されており、「房総最古の地層」や「銚子地域の地質」として銚子が紹介されておりました。にこっまた、銚子で見られる岩石や化石も多数展示されておりました。にこっ

県立中央博物館
図1 展示室で説明を聞いている様子

印象に残ったのは、海底の地形模型で、銚子沖のプレート境界付近に、第一鹿島海山というのがあるのを知りました。海洋プレートに載っているのですが、日本海溝に接近しており、まもなく大陸プレートの下に潜り込みそうなようすでした。
生物の分類展示室では、銚子からシダ化石が産出するということを知りました。それは当時温暖な気候であった中生代白亜紀のシダで、現在は熱帯、亜熱帯に分布しているそうです。
また、ジオパークのポスター展示中で、銚子ジオパークが大きく紹介されており、銚子ジオパークのパンフレットが置かれていました。どうもありがとうございます。にこっ
千葉県立中央博物館は、広くて、今回は全部見られませんでしたが、また今度、時間のあるときに見に行きたいです。にこっ



カテゴリー: 事務局ブログ |




犬岩の見学会

2013.08.06 Tuesday 17:00
7月20日に、銚子ジオパーク推進市民の会が主催する犬岩の現地見学会に参加しました。天気も穏やかで、多くの方が、参加しておりました。
犬岩は、千葉県で最も古い時期に形成された地層のひとつで、中生代ジュラ紀の付加体です。犬岩は、犬のように見える岩です。その犬岩の耳が、今にも取れそうに見えるのですが、頑丈についているようです。このジュラ紀の岩体と、新第三紀の火山灰が含まれた地層が不整合で隣接している部分もあります。これらは互いに大きな年代の隔たりがありますが、隣同士というのが不思議ですね。にこっ

犬岩前20130720
図1 犬岩の前で、ジオガイドの説明を聞く参加者

ところで、たまたま目を海の方へ向けてみると、野鳥が飛んでいるのが見えました。双眼鏡を持っていなかったのですが、写真を撮って確認したところキアシシギ4羽でした。これらキアシシギは、早くも北方から南方へ渡る途中で、犬岩の海岸に立ち寄ったものと見られます。これから暑くなろうとしているのに、なぜもう南方へ行くのかと不思議に思います。にこっ

キアシシギ20130720
図2 海岸で見られたキアシシギ4羽

また、少し高いところに、あざやかな黄色い植物の花が咲いているのが見られました。ユリ科のハマカンゾウです。花これはニッコウキスゲ(ゼンテイカ)に近い種(同じ属)です。にこっ

ハマカンゾウ20130720
図3 鮮やかな黄色で存在感のあるハマカンゾウ

犬岩を歩いて、貴重な地層だけではなく、ジオの恵みも感じることができました。にこっ

カテゴリー: 事務局ブログ |





<<前の5件 | 1 | ... | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | ... | 46 | 次の5件>>

このページの先頭へ