事務局ブログ
霧島ジオパークの霧島山の池めぐりコース〜動植物編〜
2013.11.28 Thursday 18:15
第3回日本ジオパーク研修会が南九州の霧島ジオパークで行われました。その最終日に、ジオツアーで「えびの高原池めぐり」コースに参加しました。
えびの高原は、宮崎県えびの市の標高1,300mに位置しております(写真1)。すでに11月18日に初雪が降ったそうで、この日も結構寒かったです。
この付近の気候は、降水量が多くて、年間に約4,400mmの降水量(銚子の実に2.6倍!)が記録されているということと、降雪があってもほとんど雪が積もらないそうです。
写真1 えびの高原とえびのエコミュージアムセンター
写真2 ササの背丈が高く密度が高い場所
今回見られた植物は、アカマツ、ススキのように標高の違いによって棲み分けるものや、林床のササの背丈や密度が場所によって異なるという特徴を見ました(写真2、3)。
アカマツは、霧島山では、山の中腹付近で見られるそうです。このように大地の高さ(標高)が1km程度変化すると、見られる動植物もかなり異なってきます。この標高の違いは、非常に重要で、ジオの恵みの多様性をもたらすこともよくわかりました。
さて、拠点となるえびのエコミュージアムセンター付近では、主としてアカマツが見られました(写真3)。林床の植物がほとんど生えていなくて見通しがよかったです。一方で、ササの草丈が10cm位でまばらに生育している場所や、人の背丈よりも高く密に生育している場所も見られました。
ツツジ科のミヤマキリシマは、九州の高山で見られ、5月頃に開花するということでしたが、狂い咲きで開花しているものも見られました。(写真4)
写真3 えびの高原のアカマツ林
写真4 ミヤマキリシマの狂い咲き
標高1,300m付近よりももう少し標高が高くなるとアカマツは見られなくなり、ススキの草原となりました(写真5)。アカマツからススキへ遷移は比較的急激でした。
かつて硫黄が噴出していた硫黄山の火口の中に入ると、矮性のマツが目につきました(写真6)。15年ほど前からこの火口から硫黄が出なくなったようで、その後、マツが入り込んできたのではないかと思われました。
写真5 手前側はススキの草原、向こう側はアカマツ林。右手後方は、甑岳。
写真6 硫黄山の火口にある矮性化したマツ。
これはブナです(写真7)。ブナの北限は北海道黒松内低地だそうですが、ブナの南限は以外にも鹿児島県のようです。意外と分布範囲が狭いのだなと思いました。
こちらはヒカゲノカズラです(写真8)。こちらも北海道で見たことがあります。北半球に広く分布しているようです。
写真7 池めぐりコースで見られたブナ
写真8 池めぐりコースで見られたヒカゲノカズラ
最後に野鳥ですが、歩いている途中で、一度だけ、カラ類の混群に遭遇しました。その中には、エナガ、コガラ、ゴジュウカラなどが含まれていました。その他にも、カケスやハシブトガラスなどを確認することができました。
今回参加した全国研修会は、とても有意義でした。霧島ジオパークのみなさま、参加者のみなさまどうもありがとうございました。
えびの高原は、宮崎県えびの市の標高1,300mに位置しております(写真1)。すでに11月18日に初雪が降ったそうで、この日も結構寒かったです。
この付近の気候は、降水量が多くて、年間に約4,400mmの降水量(銚子の実に2.6倍!)が記録されているということと、降雪があってもほとんど雪が積もらないそうです。
写真1 えびの高原とえびのエコミュージアムセンター
写真2 ササの背丈が高く密度が高い場所
今回見られた植物は、アカマツ、ススキのように標高の違いによって棲み分けるものや、林床のササの背丈や密度が場所によって異なるという特徴を見ました(写真2、3)。
アカマツは、霧島山では、山の中腹付近で見られるそうです。このように大地の高さ(標高)が1km程度変化すると、見られる動植物もかなり異なってきます。この標高の違いは、非常に重要で、ジオの恵みの多様性をもたらすこともよくわかりました。
さて、拠点となるえびのエコミュージアムセンター付近では、主としてアカマツが見られました(写真3)。林床の植物がほとんど生えていなくて見通しがよかったです。一方で、ササの草丈が10cm位でまばらに生育している場所や、人の背丈よりも高く密に生育している場所も見られました。
ツツジ科のミヤマキリシマは、九州の高山で見られ、5月頃に開花するということでしたが、狂い咲きで開花しているものも見られました。(写真4)
写真3 えびの高原のアカマツ林
写真4 ミヤマキリシマの狂い咲き
標高1,300m付近よりももう少し標高が高くなるとアカマツは見られなくなり、ススキの草原となりました(写真5)。アカマツからススキへ遷移は比較的急激でした。
かつて硫黄が噴出していた硫黄山の火口の中に入ると、矮性のマツが目につきました(写真6)。15年ほど前からこの火口から硫黄が出なくなったようで、その後、マツが入り込んできたのではないかと思われました。
写真5 手前側はススキの草原、向こう側はアカマツ林。右手後方は、甑岳。
写真6 硫黄山の火口にある矮性化したマツ。
これはブナです(写真7)。ブナの北限は北海道黒松内低地だそうですが、ブナの南限は以外にも鹿児島県のようです。意外と分布範囲が狭いのだなと思いました。
こちらはヒカゲノカズラです(写真8)。こちらも北海道で見たことがあります。北半球に広く分布しているようです。
写真7 池めぐりコースで見られたブナ
写真8 池めぐりコースで見られたヒカゲノカズラ
最後に野鳥ですが、歩いている途中で、一度だけ、カラ類の混群に遭遇しました。その中には、エナガ、コガラ、ゴジュウカラなどが含まれていました。その他にも、カケスやハシブトガラスなどを確認することができました。
今回参加した全国研修会は、とても有意義でした。霧島ジオパークのみなさま、参加者のみなさまどうもありがとうございました。
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