事務局ブログ
ユネスコジオパーク誕生記念フォーラム
2016.02.17 Wednesday 09:15
1月23日(土)に日本ジオパークネットワーク主催で、石川県の白山手取川ジオパークにて、「ユネスコジオパーク誕生記念フォーラム」が開催されました。ジオパークがユネスコの正式なプログラムとなったことで、どのようなに変わったのか楽しみにしておりました。以下に講演会とパネルディスカッションについて簡単にご紹介いたします。
はじめに、ユネスコのパトリック・マッキーバー氏の講演では、「ジオパークのもつ最も重要な役割としては、持続可能な開発が、地域社会にも権利の拡大をもたらしてきた」と、各国のさまざまな事例を挙げて、説明しておりました。具体的には、ジオガイドとして、収入を得ることができた人、自然災害の体験を伝えている人、子供たちがジオパークについて学んでいる話し、ひとりでジオサイトを巡りながら、音声ガイドで説明を受けている話し、地元で採れた食材に付加価値をつけて販売している話しなどが紹介されました。
また、再認定審査については、「法的な保護がされていることが確認される必要がある」と強調していました。さらに、イギリスの事例で、世界ジオパークがイギリス経済に与えた恩恵の話しが紹介されました。
(写真)ユネスコのマッキーバー氏の講演
次に、前ユネスコ事務局長の松浦晃一郎氏による講演では、ユネスコの理念や、これまでの活動の経緯について紹介しておりました。具体的には、地球環境保全活動として、世界遺産条約、ユネスコエコパーク、ユネスコ世界ジオパークについて話しており、いずれも国際交流を進めることが重要であると話しておりました。また、日本が提案したESD(持続可能な開発のための教育)の紹介もしておりました。
(写真)前ユネスコ事務局長の松浦氏の講演
つづいて、日本MAB(人間と生物圏)計画委員会委員長の松田裕之による講演では、ジオパークとエコパークの共通点や相違点について、世界で唯一、世界自然遺産、ユネスコエコパーク、世界ジオパークの三重登録している済州島や宮崎県の綾の事例を出しながら、紹介しておりました。
(写真)日本MAB計画委員会委員長松田氏の講演
最後に、パネルディスカッションでは、「ユネスコ正式事業化を受けての日本のジオパーク活動」について、議論されました。ここで、以下に、参考になったマッキーバー氏の発言を紹介します。
(写真)パネルディスカッションのようす
【持続可能な発展】携帯電話等に使用されているレアメタルのような非常に貴重な鉱物は、持続可能で効果的な方法で、無駄なく抽出することを考えなければならないが、一方で、これまでの大量消費の生活が持続できなくなっていることを取り上げました。そこで、ジオパークという仕組みが、人々の意識を高めればいくきっかけになることが紹介されました。また、この問題を解決しようとしなければ、私たちは受け入れがたい現実に直面せざるを得なくなるだろうと話しておりました。
【人々の巻き込み方】 ヨーロッパのジオパークネットワークについて、2000年以降1年に3回の会合を持つことが決まって、その後4年間の会合を続けたそうです。毎回、会議を重ねていく中で、友情、信頼がどんどん増し、その成果は、すばらしく、見ていた他の人も会議に参加させてほしいというようになったそうです。
【地球科学で平和】30年間も北アイルランドは内戦状態が続いていたが、地球科学を使って地元の住民をもう一度まとめたいと考えていたそうです。当時、対立している人々はお互いに共通点がないと考えていたようですが、実は、お互いの共通点というのは、地球であるということを伝えたいと思っていたそうです。
【ジオパーク活動の存在価値】ジオパークに参加している人たちは、地質の研究者、ジオパークのファンだけではなく、地元のコミュニティから、地元出身の人たちがジオパークの存在を特別なものにしています。まさにボトムアップの取り組みであって、それがジオパークの存在をすばらしいものにしています。
【ジオストーリー】地質学者が学んできた科学的な表現が、ごく普通の人たちに普通に使われることばを使って、これまでに地球でどんなことがあったのかというすばらしいストーリーを伝えると、それを聞いた人たちは誰でもすごいと驚くと思います。
【ユネスコ世界ジオパークを目指した経緯】
みなさんが国際的に交流、協力ができる場を設けたいと考えたからだそうです。
ここで改めて、ジオパークを楽しみながら、人々と交流を持ち、地球と共生していくことやローカルな存在であるが、グローバルな視点を持つようになるジオパーク活動は、すばらしい仕組みだと思いました。
はじめに、ユネスコのパトリック・マッキーバー氏の講演では、「ジオパークのもつ最も重要な役割としては、持続可能な開発が、地域社会にも権利の拡大をもたらしてきた」と、各国のさまざまな事例を挙げて、説明しておりました。具体的には、ジオガイドとして、収入を得ることができた人、自然災害の体験を伝えている人、子供たちがジオパークについて学んでいる話し、ひとりでジオサイトを巡りながら、音声ガイドで説明を受けている話し、地元で採れた食材に付加価値をつけて販売している話しなどが紹介されました。
また、再認定審査については、「法的な保護がされていることが確認される必要がある」と強調していました。さらに、イギリスの事例で、世界ジオパークがイギリス経済に与えた恩恵の話しが紹介されました。
(写真)ユネスコのマッキーバー氏の講演
次に、前ユネスコ事務局長の松浦晃一郎氏による講演では、ユネスコの理念や、これまでの活動の経緯について紹介しておりました。具体的には、地球環境保全活動として、世界遺産条約、ユネスコエコパーク、ユネスコ世界ジオパークについて話しており、いずれも国際交流を進めることが重要であると話しておりました。また、日本が提案したESD(持続可能な開発のための教育)の紹介もしておりました。
(写真)前ユネスコ事務局長の松浦氏の講演
つづいて、日本MAB(人間と生物圏)計画委員会委員長の松田裕之による講演では、ジオパークとエコパークの共通点や相違点について、世界で唯一、世界自然遺産、ユネスコエコパーク、世界ジオパークの三重登録している済州島や宮崎県の綾の事例を出しながら、紹介しておりました。
(写真)日本MAB計画委員会委員長松田氏の講演
最後に、パネルディスカッションでは、「ユネスコ正式事業化を受けての日本のジオパーク活動」について、議論されました。ここで、以下に、参考になったマッキーバー氏の発言を紹介します。
(写真)パネルディスカッションのようす
【持続可能な発展】携帯電話等に使用されているレアメタルのような非常に貴重な鉱物は、持続可能で効果的な方法で、無駄なく抽出することを考えなければならないが、一方で、これまでの大量消費の生活が持続できなくなっていることを取り上げました。そこで、ジオパークという仕組みが、人々の意識を高めればいくきっかけになることが紹介されました。また、この問題を解決しようとしなければ、私たちは受け入れがたい現実に直面せざるを得なくなるだろうと話しておりました。
【人々の巻き込み方】 ヨーロッパのジオパークネットワークについて、2000年以降1年に3回の会合を持つことが決まって、その後4年間の会合を続けたそうです。毎回、会議を重ねていく中で、友情、信頼がどんどん増し、その成果は、すばらしく、見ていた他の人も会議に参加させてほしいというようになったそうです。
【地球科学で平和】30年間も北アイルランドは内戦状態が続いていたが、地球科学を使って地元の住民をもう一度まとめたいと考えていたそうです。当時、対立している人々はお互いに共通点がないと考えていたようですが、実は、お互いの共通点というのは、地球であるということを伝えたいと思っていたそうです。
【ジオパーク活動の存在価値】ジオパークに参加している人たちは、地質の研究者、ジオパークのファンだけではなく、地元のコミュニティから、地元出身の人たちがジオパークの存在を特別なものにしています。まさにボトムアップの取り組みであって、それがジオパークの存在をすばらしいものにしています。
【ジオストーリー】地質学者が学んできた科学的な表現が、ごく普通の人たちに普通に使われることばを使って、これまでに地球でどんなことがあったのかというすばらしいストーリーを伝えると、それを聞いた人たちは誰でもすごいと驚くと思います。
【ユネスコ世界ジオパークを目指した経緯】
みなさんが国際的に交流、協力ができる場を設けたいと考えたからだそうです。
ここで改めて、ジオパークを楽しみながら、人々と交流を持ち、地球と共生していくことやローカルな存在であるが、グローバルな視点を持つようになるジオパーク活動は、すばらしい仕組みだと思いました。
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