事務局ブログ
犬吠埼〜屏風ケ浦の巡検と意見交換会
2015.01.09 Friday 11:30
1月7、8日にジオガイドのスキルアップ、おもてなし力の向上を目的とした巡検や再審査の状況などに関する意見交換会を開催するために、桂雄三氏をお招きいたしました。参加者は、銚子ジオパーク推進市民の会の方をはじめ25名でした。
7日の午後は、犬吠埼で巡検が行なわれました。はじめに漣痕(れんこん:さざなみの形を作ったした痕跡)(写真1)や、生痕化石(当時の生き物が這い回った痕跡)、ハンモック状斜交層理(大嵐のときに、海中の砂が大波のような形を作った痕跡)(写真2)、チャネル構造(当時の浜から砂が沖合に運ばれるときの水路)などが見られたことによって犬吠埼は、浅い海の環境下で堆積したことが説明されました。熱心の耳を傾けていた参加者の方(写真3)から、「では、どうやってこの形が地層として残ったのですか?」という質問が出ました。漣痕については、「さざなみの形は、河川の近くにある場合、大嵐の直後に、その上に泥がダマのようにして急速に堆積したので、漣痕の形がそのまま地層として残りました。」と説明され、ハンモック状斜交層理については、「大嵐のときに、砂浜から大量の砂が沖の方へ運ばれ、それが大波で移動するときにできた堆積構造で、通常の嵐(低気圧程度)であれば、静穏時に徐々に砂浜に戻ってきますが、大嵐の場合は、砂浜に戻ってきません。その後、泥が徐々に堆積して、それが地層として残ったのが犬吠埼の辺りの地層です。」と説明されました。
このあと、犬吠埼ホテルで、意見交換会が開催されました(写真4)。
8日の午前は、長崎海岸、犬岩、屏風ケ浦で巡検が行なわれました。長崎海岸では、参加者からの「これはタービダイト(写真5)ですか?」という質問からはじまりました。それに対して「一枚の砂岩層の上位に行くにしたがって、塊状の部分からやがて平行葉理(場合によってはコンボリュート葉理や波状の葉理になっている)となり、その上に泥層が載っている。典型的なタービダイトではないが、犬吠埼のような浅い海での堆積を示す積極的な証拠が乏しいことからタービダイトではないかと考えられる。」と説明してくださいました。
犬岩(写真6)では、愛宕山層群のメランジュの地層の上に、基底礫岩(愛宕山層群の頁岩)をともなう名洗層(この場所では、軽石を多量に含む地層)が重なる、典型的な不整合や、また名洗層の軽石層がつくる斜交層理の中には、脱水に伴うディッシュ(皿状構造)を観察しました。
また、屏風ケ浦では、参加者から「これは、正断層(写真7)でいいですか?」という質問がありました。それに対して、「これは、左右に引っ張られた(あるいは上下に押された)時にできる典型的な共役断層で、ほぼ同時に、2つがずれました。」と説明してくださいました。
参加者のみなさまは、日頃ジオガイドをする上で、疑問に思っていたことが明らかになって、収穫の多い巡検でした。
(写真1)犬吠埼における漣痕(さざなみの痕跡)
(写真2)犬吠埼におけるハンモック状斜交層理(大波の痕跡)
(写真3)熱心に観察する参加者
(写真4)犬吠埼ホテルでの意見交換会のようす
(写真5)長崎海岸におけるタービダイト(深海の砂泥互層の一部)
(写真6)犬岩でのようす
(写真7)屏風ケ浦における正断層(共役断層)の観察
7日の午後は、犬吠埼で巡検が行なわれました。はじめに漣痕(れんこん:さざなみの形を作ったした痕跡)(写真1)や、生痕化石(当時の生き物が這い回った痕跡)、ハンモック状斜交層理(大嵐のときに、海中の砂が大波のような形を作った痕跡)(写真2)、チャネル構造(当時の浜から砂が沖合に運ばれるときの水路)などが見られたことによって犬吠埼は、浅い海の環境下で堆積したことが説明されました。熱心の耳を傾けていた参加者の方(写真3)から、「では、どうやってこの形が地層として残ったのですか?」という質問が出ました。漣痕については、「さざなみの形は、河川の近くにある場合、大嵐の直後に、その上に泥がダマのようにして急速に堆積したので、漣痕の形がそのまま地層として残りました。」と説明され、ハンモック状斜交層理については、「大嵐のときに、砂浜から大量の砂が沖の方へ運ばれ、それが大波で移動するときにできた堆積構造で、通常の嵐(低気圧程度)であれば、静穏時に徐々に砂浜に戻ってきますが、大嵐の場合は、砂浜に戻ってきません。その後、泥が徐々に堆積して、それが地層として残ったのが犬吠埼の辺りの地層です。」と説明されました。
このあと、犬吠埼ホテルで、意見交換会が開催されました(写真4)。
8日の午前は、長崎海岸、犬岩、屏風ケ浦で巡検が行なわれました。長崎海岸では、参加者からの「これはタービダイト(写真5)ですか?」という質問からはじまりました。それに対して「一枚の砂岩層の上位に行くにしたがって、塊状の部分からやがて平行葉理(場合によってはコンボリュート葉理や波状の葉理になっている)となり、その上に泥層が載っている。典型的なタービダイトではないが、犬吠埼のような浅い海での堆積を示す積極的な証拠が乏しいことからタービダイトではないかと考えられる。」と説明してくださいました。
犬岩(写真6)では、愛宕山層群のメランジュの地層の上に、基底礫岩(愛宕山層群の頁岩)をともなう名洗層(この場所では、軽石を多量に含む地層)が重なる、典型的な不整合や、また名洗層の軽石層がつくる斜交層理の中には、脱水に伴うディッシュ(皿状構造)を観察しました。
また、屏風ケ浦では、参加者から「これは、正断層(写真7)でいいですか?」という質問がありました。それに対して、「これは、左右に引っ張られた(あるいは上下に押された)時にできる典型的な共役断層で、ほぼ同時に、2つがずれました。」と説明してくださいました。
参加者のみなさまは、日頃ジオガイドをする上で、疑問に思っていたことが明らかになって、収穫の多い巡検でした。
(写真1)犬吠埼における漣痕(さざなみの痕跡)
(写真2)犬吠埼におけるハンモック状斜交層理(大波の痕跡)
(写真3)熱心に観察する参加者
(写真4)犬吠埼ホテルでの意見交換会のようす
(写真5)長崎海岸におけるタービダイト(深海の砂泥互層の一部)
(写真6)犬岩でのようす
(写真7)屏風ケ浦における正断層(共役断層)の観察
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