みどころの紹介
岩石公園(古銅輝石安山岩保存公園)Bronzite andesite conservation park
この公園には、かつて利根川河口にあった約2000万年前に噴火した火山の痕跡である岩石が移設保存されています。
銚子の利根川河口は、船の航行が大変困難な場所で、日本の海の三大難所の一つに数えられ、「阿波の鳴門か銚子の川口、伊良湖渡合(いらごどあい)が恐ろしや」といわれるほどでした。明治時代以降だけでも、千人以上の死者や行方不明者が出ています。
利根川の右岸にある銚子漁港は、かつては荒天時の入港に困難を生じ、しばしばおこる海難事故により、人命財産の損失が甚大でした。
1971年(昭和46年)になって、ようやく利根川河口を航行しないで銚子漁港に入ることができる新航路、いわゆる「銚子漁港の運河」が完成し、河口における海難事故は解消されることとなりました。この整備事業のおかげで、銚子漁港は日本有数の水揚げ量を誇る漁港に至ったわけです。
しかし、この運河建設により、河口にあった学術的に貴重な岩石が一部失われてしまいました。その際、地元の研究者らの働きかけによりその一部が移設され、この公園で見学できるようになりました。
「国土地理院ウェブサイト」
(https://maps.gsi.go.jp/#17/35.745158/140.856153/&ls=ort_old10%7Cseamlessphoto&blend=0&disp=10&lcd=seamlessphoto&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1)をもとに作成
ここに移設された岩体は、約2000万年前に流れた溶岩が冷え固まってできた火山岩です。この火山岩は、表面が青銅(ブロンズ)色に見えることから名前が付いた古銅輝石といわれる鉱物が含まれる、日本では珍しい「古銅輝石安山岩」や「古銅輝石デイサイト」です。2000万年前というと日本海が拡大し、日本列島が形成されつつあった時代です。
この火山の痕跡は、その当時の活動的であった日本列島の地下の様子をものがたっています。
溶岩が流れた痕跡
矢印先の肌色の部分は、火山灰が堆積してできた凝灰岩。岩体の下部に溶岩が流れたときに溶岩に巻き込まれた凝灰岩を観察できます。
いろんな火山の噴出物が固まった岩
大小さまざまな火山の噴出物が固まった岩。大きな石は空気に触れ急激に酸化したため、レンガのように赤くなっています。
縞々に見える溶岩
縞々に見える溶岩。溶岩が固まりつつある間に流動し、溶岩の中ですでに結晶化した鉱物が縞状に配列した流れ模様です。
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JR「銚子駅」からちばこうバス(川口・ポートセンター行き)
「川口」下車、バス停から徒歩約1分(100m)